解体コラム

～相続と家の処分・撤去までに“今”できること～

人生には「突然に」訪れる出来事があります。誰もが想像もしていなかったある日、大切な人が倒れてしまったり、訃報の知らせが届いたり——

あるいは「徐々に」ですが、確実に親の介護や入院が必要になっていくこともあります。

そんなとき、生活は一変します。なかでも大きな課題になるのが、**「家」と「相続」**です。

◆ 突然相続人になるという現実

「自分はまだ関係ない」

と思っていたことが、ある日突然目の前の課題になります。たとえば…

• 親が亡くなり、実家を相続する立場になった

• 空き家となった実家の管理者になった

• 「名義変更」や「固定資産税」の通知が届いた

こうした事態に直面したとき、何から手をつければいいか分からず戸惑う方が多いのが現実です。

◆ 家の処分や撤去が必要になる前に、知っておくべきポイント

突然の状況変化に対応するには、事前の準備や確認が大切です。以下の項目は、将来的に実家の解体や処分が必要になるかもしれない方に、ぜひ知っておいていただきたいことです。

1. 相続が発生したときの初期確認ポイント

2. 相続した家の「今後」を決めるステップ

相続した家が空き家になった場合、以下のような選択肢があります。

• 住む（自分・家族）

• 貸す（賃貸運用）

• 売却する（更地・建物付き）

• 解体して更地管理（維持・売却・相続対策）

💬ワンポイント：

相続を放置してしまうと、固定資産税の優遇が外れ、6倍になるケースも。特に倒壊の危険がある建物は「特定空家」として指導対象になる恐れがあります。

◆ 今できる“3つの準備”

突然のときに慌てないために、今からできることは意外に多くあります。

① 家族との「話し合い」をしておくです。

元気なうちにこそ話しておくべき大切なテーマ

「将来、実家をどうする？」という話題は避けられがちですが、住む予定があるのか、処分したいのか、誰が管理を担うのか—話しておきましょう

② 名義・登記の確認をしておく

元気なうちに自分はどうしたいのか考えておく・名義・登記の人に確認しておく

法務局で登記簿謄本（全部事項証明書）を取得すれば、誰が名義人かが分かります。将来的に売却や解体を検討するなら、「名義のまま放置しないこと」が肝心です。

③ 補助制度や相談窓口の情報を集めておく

市町村によっては、空き家の解体や利活用に補助金が出る場合もあります。

鹿児島市などでは、老朽家屋の撤去に最大30万円の補助がある年も。お住まいの地域の「空き家対策課」や「建築指導課」などに事前相談するのもおすすめです。

◆ 解体に踏み切る前に

相続した家を最終的に処分・撤去する場合も、「ただ壊せばいい」というわけにはいきません。

解体までの流れ（目安）

1. 所有者・相続人の確認と名義変更

2. 不動産の調査（築年数・図面・アスベスト有無など）

3. 近隣への説明や同意（トラブル防止）

4. 解体業者の選定・見積取得

5. 建設リサイクル法などの書類申請

6. 解体・整地

7. 処分後の土地活用（売却・貸与・維持）

◆ まとめ：一変した生活を守るために

親のこと、家のこと、相続のこと。

いずれ来るとは分かっていても、「その日」は思ったより早く来ることがあります。

だからこそ、

「何も起きていない今」こそが、一番の準備のチャンスです。

あなた自身、そして家族が困らないように、

まずは小さな一歩から——

名義を確認してみる、家族と話してみる、解体や相続の情報を集めておく。

そんな日々の積み重ねが、「生活が一変したその日」に、きっとあなたを助けてくれます。