先日、東京で開催された世界陸上を見ていて、本当に胸が熱くなりました。
市民ランナー出身の 小林香菜選手
世界の舞台で女子マラソンを走り抜き、7位に入賞した姿。世界の選手と走るスタートラインに立つまでの道のりを思うと、どこにそんな力があるのか、と思うほど華奢なのに、気持ちを強く持つ力に驚かされました。最後走り抜いたとき、倒れた小林選手に手を貸す他国の選手の温かい姿にも感動を頂きました。
オリンピック女子やり投げ金メダルの北口榛花選手
惜しくも予選敗退となりましたが、けがからの復帰や、前回の栄光を知るがゆえの周囲の大きな期待。そんなプレッシャーの中で心穏やかに挑むことは、きっと簡単ではなかっただろうと思います。それでも、世界の舞台に立ち続ける姿勢そのものが大きな勇気を与えてくれました。
男子4×400mリレー:小池祐貴選手・栁田大輝選手・桐生祥秀選手・鵜澤飛羽選手 の4名
前回はバトンがつながらなかったという苦い経験もありながら決勝まで今回もつなげる走りを見せてくれた4名。結果は惜しくもメダルには届きませんでしたが、スタートからゴールまで全力で走り抜いたその姿、そしてレース後に語られた「悔しさ」「感謝」「次への成長への誓い」――どの言葉からも、陸上に懸ける想いが伝わってきました。桐生選手は6年ぶりに選手として出場した姿に本人はいい結果もいい走りも出せなかったと悔やまれていらっしゃいましたが、私から見ればその姿こそ本当にすごいことだと思います。長く第一線で走り続けること、そして再び大舞台に戻ってきて仲間と共にバトンをつなぐこと。それだけで十分に尊く、胸を打たれる挑戦でした。悔しさを抱えながらも再び立ち上がろうとする姿勢は、応援する私たちに「挑戦し続けることの大切さ」を教えてくれます。心から「お疲れさまでした」と伝えたいですし、これからの皆様の挑戦も変わらず応援していきたいと思います。
男子3000m障害物で8位入賞を果たした 三浦龍司選手。
問題となったのは男子3000メートル障害決勝の最終盤。メダル争いを繰り広げていた三浦選手は、最終障害を越えたところで他国の選手に後ろから押されたような形になり、バランスを崩しました。その後も他国の選手が三浦の右手と当たって再びバランスが崩れ、失速。8位に終わり、銅メダルの選手にわずか1秒34及ばなかった。
しかし驚くべきは、その後の三浦選手の姿勢でした。本人は言い訳もせず、人のせいにもしませんでした。ただ次に向かう新たな思いを熱く語り、前を見据えて。その潔さ、人を責めない人柄に、私は強く感動しました。
人はうまくいかないとき、つい誰かのせいにしたくなるものです。その方が気持ちが楽だから。でも、三浦選手はそれをせず、自分の力に変えようとしています。報われなかった努力の先に、また新たな挑戦への楽しみや力強さを見出すことは簡単にできることではありません。三浦選手自身の潔い姿勢が、周りの空気を静め、「次に期待して応援しよう」という気持ちに変わり、その応援を彼の強さに勇気としてプラスされ、これからの成長につなげていくのだろうとますます楽しみになりました。私もまた、その応援の輪の一人として、三浦選手のこれからの挑戦を心から楽しみにしています。
もちろん、他にもたくさんの日本人選手の活躍がありました。
世界各国の選手たちの挑戦も胸を打ちました。国境を越えて伝わってくる努力や可能性の輝きに、ただただ感動しました。
この大会を通して、私は「人間はいくつになっても可能性を秘めているんだなと強く感じました。
そしてそれは、アスリートだけでなく、私たちの生活にもあてはまることだと思います。
小さな健康習慣を始めることや、毎日の暮らしの中で少し前向きな選択をすること。それが未来の自分につながる一歩になるはずだと。
病気をして体が自由に動かせない、そんな経験や心が前向きになれないそんな状態の人も世の中にはたくさんいることと思います。私もそんな一人でした。
今でもそうなんですが、前の自分より今の自分がすこしだけ元気になってきたように思います。
おこがましくもレベルも内容もまったく比較はできませんが、走れなかった自分自身の日々の挑戦と重なって励まされる気持ちになった今回の世界陸上大会。
皆さんも、どんなに小さなことでも、自分の可能性を信じて「一歩」を踏み出してみませんか?その一歩がきっと大きな力になると、私は信じています。